So-net無料ブログ作成

「中国のフロンティア」 [現代社会]

IMG_20170527_0001.jpg
  岩波新書の一冊。2017年3月刊。
  著者は東京大学大学院教授の川島真さん(中国近現代史専攻)。

  近年における中国と、アフリカ、東南アジアなどとの関係の実情を描く。

1 中国からザンビアへの農業移民
    ザンビアには中国人の経営する農場が20以上、存在する。
    規模はそれぞれ100~120ヘクタールと大きい。

    援助プロジェクトなどですでにアフリカに来ていた人がおり、そうした人々を頼って中国の農民が移民し、そこで農業を営むことで富と成功を得る、という構図ができている。

2 広州のアフリカ人街
    広州市を含む珠光デルタ地帯には、数万のアフリカ人が居住しているとみられる。
    多くは、ここで生産される商品を買い付け、アフリカに送っている小貿易商、あるいは運送業者。
    取扱商品は服飾品や靴など。

    中国当局はビザの更新を厳しくしているため、不法滞在となっているものも多く、収監される例も増えている。
    これに対して、例えばナイジェリア政府は不法滞在の中国人を逮捕するなど、報復措置を取っているところもある。

3 中国政府の広報誌「非洲(アフリカ)」
   様々なトピックスが掲載されている。例えば・・
   ① アルジェリアで受注した70億ドルの高速道路工事は、予定より早く完成した。一方、日本が受注した部分は工期の遅れや赤字発生に悩まされていた。

   ② 中国から粗悪品やコピー商品が輸出されているのは問題だ。「1週間靴」、「3か月スカート」などと呼ばれている。

4 マラウイ
   アフリカ南部の内陸国、マラウイは2007年12月、台湾との国交を断絶し、中国との国交を樹立した。
   マラウイは、台湾を中国として認めて外交関係を有する数少ない国であった。台湾もこの関係を持続するためマラウイに各種の支援を続けていた。しかし、マラウイは中華人民共和国からの60億ドル(6,600億円)という巨額支援の提案に屈することとなった。

5 ミャンマー
   1980年代後半にミャンマーに軍事政権ができ、その後、中国とミャンマーは急接近した。
   1990年代後半以降、中国政府はミャンマーの資源開発、パイプライン建設、港湾施設の建設など、積極的な協力を行った。
   しかし、2011年、ミャンマーはミャンマー北部で、中国と共同で建設することを計画していた水力発電用ダムの開発中止を決定した。


  * 中国の海外進出における今後の問題
   ① 日本を含む、領土、領海問題で対立するアジア諸国との関係
       今後とも経済力と軍事力に頼る対外姿勢を取り続けるのか。

   ② 他国への経済支援が、その国の人々の役に立っているか。
       北朝鮮の独裁政権やミャンマーの軍事政権、あるいはカンボジアのポルポト政権への支援に見られるように、自国の利益につながるのであれば、相手国の人々の利益に反してでも経済支援を行ってきた。 

   ③ 国内に困窮農民を多く抱えながら、対外的に巨額の支援を続けることが持続可能なのか。  
   
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0