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洞爺丸などの青函連絡船沈没事故 [昭和史]

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  * 以下の書籍を参考にした。
    「洞爺丸はなぜ沈んだか」 上前淳一郎著 文春文庫 1983年刊
    「洞爺丸転覆の謎」    田中正吾著 成山堂書店 1997年刊

  洞爺丸は、青森函館を結ぶ青函連絡船。
  1954年9月26日、台風15号の猛威により洞爺丸は沈没し、1,314名の乗員乗客のうち1,155人が亡くなった。
  この日、他にも4隻の青函連絡船が沈没し、275人が亡くなっている。犠牲者の数は合わせて、1,430人となり、世界最悪の海難事故とされてきたタイタニック号の犠牲者数にほぼ匹敵するものであった。

1 台風15号の脅威
   ① 函館の西側を進んでいた。
    (逆時計回りに風が吹く台風の右側は、自身の進むスピードが加わって強風が吹く)
   ② 日本海上をゆっくりと進みながら、さらに発達しつつあった。
   ③ 台風が北上するにつれ、18:00過ぎから強風が陸上に邪魔されず、津軽海峡から函館湾へ直接吹き付けるようになった。

2 青函連絡船12隻の被害状況
(1)無事だった船(7隻)
  ア 青森港へ避難していた船: 羊蹄丸と渡島丸の2隻
      羊蹄丸は函館へ向けて16:30に出発予定であったが、青森の風は強くはなかったものの、気圧が低いままであったため、船長は出発延期を決定。もし、乗客を乗せて函館に向かっていれば、遭難の可能性が大きかった。
            
  イ 函館港内に残った船: 石狩丸、第六青函丸、第八青函丸の3隻
  
  ロ 函館港の防波堤の外へ出て、風に船首を立てて走り続ける航法を取り沖へ逃れた船: 大雪丸、第十二青函丸の2隻 

(2)沈没した船(5隻)
    いずれも、函館港の防波堤の外へ出て、そこで錨を降ろし、台風をやり過ごそうとした。
    乗客が乗っていたのは洞爺丸のみ。

    北見丸(貨物船) 沈没   乗組員76名のうち70名が死亡
    日高丸(貨物船) 沈没   乗組員76人のうち56人が死亡
    十勝丸(貨物船) 沈没   乗組員76人のうち59人が死亡
    洞爺丸     座礁 転覆 乗員乗客1,314名のうち1,155人が死亡。
    第十一青函丸   沈没   乗組員90名 全員死亡

 
    第十一青函丸(貨客船)は、乗客176名、乗組員90名、42車両とともに、13:20にいったん出港したが、33分後に引返し、乗客を下船させた。一部の乗客は洞爺丸に乗り移った。

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3 洞爺丸の状況
   14:40 出発予定。第十一青函丸からの乗り換えや短時間の停電のために遅れる。
   15:10 出発延期決定。
       沖出し(乗客を降ろして船を岸壁から離す)はせず。
   17:40 18:30に出航することを決定。
   18:39 出航。
   19:01 防波堤を出たところで風速計が40メートルを超えた。
       錨を降ろして停止。

       錨が充分効かず、七重浜方面へ少しづつ流される。
       エンジンを動かして、流されるのを止めようとするが、機関室へ浸水。
   22:07 エンジン停止。
       七重浜への座礁が避けられなくなった。
   22;26 七重浜の800メートル沖で座礁。
   22:40 SOS発信。      
   22:45 転覆。

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4 洞爺丸の船長の判断
(1)台風の猛威に対する判断を誤った。
    当時の天気予報は現在のものに比べはるかに精度が低い。このため、判断を誤ったのであるが、船長は天気予報の精度が低いことを十分承知しているはずであり、それだけに乗客を降ろしてから沖だしをするなどの慎重な判断が求められた。

(2)防波堤の外で錨を降ろして停泊した船がすべて沈没した。そうした対応を認めていた当時の国鉄(JRの前身)のマニュアルに問題があった。

(3)国鉄は事故の翌日、設計上の欠陥もなく、万全の措置を取っていたので、災害は不可抗力によるものと発表し、世論の大きな反発を招いた。

(4)海難審判では、「船長の運航に関する職務上の過失」という裁決であった。
 
5 その後の対応
(1)1964年から新しい大型の連絡船が順次投入された。

(2)1988年には青函トンネルが開業し、青森・函館間の青函連絡船はその役割を終えた。

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