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海洋漁業の未来

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  イギリスの経済週刊誌「エコノミスト」の最新号から。

  海洋漁業の問題点とその対策を探っている。

1 乱獲と養殖
(1)世界の魚の消費は増え続け、その量は平均で1年に一人当たり20キログラムに達している。近年の増加の大部分は養殖の増加であり、中国がその大部分を占めている。

(2)しかし、乱獲が減っているわけではなく、資源量が減少している魚種は増加を続けている。
  
(3)魚の養殖も、鮭の養殖のように小魚をその餌にするのでは、漁業資源の保護には結びつかない。昆虫や藻類などが代替飼料として考えられるが、動きは鈍い。


2 海洋汚染
(1)乱獲とともに問題となるのは海洋汚染である。化学肥料の流出が海の環境を損なっているほか、プラスチックは毎年8百万トンが海に流れ出ている。今世紀の中頃には、重量的には海にあるプラスチックの方が魚よりも多くなってしまうとみる調査機関もある。

(2)大気中の二酸化炭素の増加は海の表面の温度を上昇させる。この結果、海水は複層化して、海の深いところにある栄養豊かな成分が上昇するのを妨げ、それらが魚やプランクトンのところへ届かなくなる。

(3)また、海水が二酸化炭素を吸収すると酸性化し、甲殻類や稚魚あるいはサンゴに悪影響を与える。

(4)気候温暖化や漁業資源の枯渇は数十年単位の話であり、その日の糧を得るために苦闘している漁業者の関心は低い。

(5)イギリスの沿岸にいるヒラメ類の生息には、浅い海と冷たい海水という二つの条件を必要とする。海水温が上昇してくると、ヒラメはより北の海に向かうことになるが、海はより深くなり生育できない。また、ヒラメの稚魚が必要とする餌が違った場所で確保される保証もない。気候変動がこのような食物連鎖にどのような影響を与えるかについて予測することは難しい。

3 乱獲防止の具体策
  乱獲防止の方策として考えられるのは・・
  ① WTOは世界全体で300億ドル(3兆3千億円)に達する漁業者への補助金を問題にしている。補助金の廃止が魚価の引き上げにつながれば、消費が抑えられる。しかし、国民のたんぱく質を安価な魚に頼っている、貧しい国もあり、難しい。

  ② 排他的経済水域内での漁獲禁止区域の設定

  ③ 公海での漁業の全面禁止

  ④ GPS等による漁船の監視

  ⑤ コストコやウオルマートなどの大手食品販売事業者は、問題のある漁業者の取った魚を扱わない。
 
  ⑥ 投資家が、乱獲する漁業者への投資を手控える。

 <漁獲量の多い国>(養殖を除く) 2014年
   中国    1,480万トン
   インドネシア 600万トン
   アメリカ   500万トン
   ロシア    400万トン
   日本     360万トン
   ペルー    350万トン
   インド    340万トン
 
 <公海上での漁獲量の多い国>  全体に対する割合 2000~2010年平均
   チリ     99万トン    25%
   日本     81万トン    19%
   中国     65万トン    7%
   韓国     63万トン    38%
   台湾     59万トン    66%