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「怠惰を手に入れる方法」 [現代社会]

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  築地書館、2009年刊。
  著者は、アメリカの劇作家 ウェンディ・ワッサースタインさん。

 この際、人生の「ねばならない」を忘れよう。
 もっと一生懸命働か「ねばならない」、神を信じ「ねばならない」、もっと稼が「ねばならない」。

 健康や成功に輝く必要なんてない。
 輝くには働かなくてはならない。
 今この瞬間から、「輝く」ことに「ノー」と言える意思を持ってもらいたい。

 怠惰になれば大食いすることもなくなる。
 いつだって、食べようと思えば食べられるからだ。
 
 怠惰でありながら同時に高慢で、色欲満々ということなどありえない。
 怠惰にはまれば、野心など過去のものになる。

 社会によって植え付けられた「働かねばならない」という衝動を捨て去るために、2週間、強いて全く何もしない期間が必要だ。
 惰眠の状態から出た後は、創造的な気分になっているなら、何かしら生産的な仕事をしてもかまわない。
 しかし、あくまでも自分自身の欲求である場合だけで、外からの期待に応えるのは禁物だ。

 医者の言うことを真に受けてはいけない。
 医者たるものは一人残らず製薬会社のまわし者だ。
 降圧剤も抗うつ剤もホルモン剤も抗生物質も胃薬も、みんな投げ捨ててしまおう。
 怠惰になれば、そんな薬は何一つ必要ない。

 アルコールは、いくらでも好きなだけ飲んでいい。
 一日にコップ八杯は水を飲まなければいけない、なんて言っているのは医者なんだから、摂取する水分の量など気にすることはない。

 空っぽになった自分を発見する。
 自分の中にある空虚を見つめることこそが、生き残る唯一の道だ。

 たいていの宗教では、死後の豊かな生活を保障してもらうことが、現世でいい行いをする目的となっている。
 しかし、実は死後の世界などというものはない。
 天国もなく、当然、神もいない。地獄もない。
 来世のために頑張る努力は、今すぐにやめよう。

 怠惰の生活スタイルに感銘しないのであれば、それはあなたが希望を持ち、人間の可能性をいまもって心から信じている証拠だ。
 怠惰によって偉大な文明は生まれないかも知れないが、しかし、怠惰は文明を破壊しもしない。

 この世の中は、みんな頑張りすぎだよ。
 みんながみんな、よりよくなろうなんて頑張るから、全体のレベルがどんどん高くなる。
 
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「知られたくないウラ事情 『不都合な真実』」 [現代社会]

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  ぱる出版、2017年9月刊。
  著者は、神樹兵輔さん。

1 宝くじ
 配当金は50%以下。 
 宝くじの一等賞の当選確率は1000万分の1。
 東京都民全員が買って、一人だけが当たるという確率。
 買う人は、他の人は当たらないが、自分だけは運よく当たるかも知れないと思う。
 収益金は、総務省OBが天下っている公益法人などに流れる。
 (みずほ銀行も甘い汁を吸っており、取引先従業員に押し込んでいる。)

2 マスメディア
 民主党政権時に、特定のテレビ局に電波を独占させるのを止め、自由に経営に名乗りを上げられる「電波オークション制」を導入しようとしていた。
 国の財政が苦しい現在、諸外国が実施しているこの制度を実施すれば、電波利用料を現在の60億円から1兆円前後に増やすことができる。
 しかし、政権に復帰した自民党政権は、「電波オークション制」導入を見送りとして、テレビ局を喜ばせた。
 日本では、新聞社とテレビ局が系列化されているという特異な形になっており、テレビ局だけではなく、新聞社も政権批判がしにくくなっている。

3 地方議員
 日本には1,788の地方自治体があり、地方議員数は33,529人もいる。
 年間報酬総額は3,350億円で、一人当たり平均約1,000万円。
 海外では、地方議員はボランティアで、名誉職。
 日本では、報酬のほかに政務活動費を受け取り、それの流用がメディアをにぎわす。
 期末手当や政務活動費を加えると、年間収入が2,000万円を超える議員も少なくない。
 これだけのお金を使っていても、有権者が地方議員の活動を実感することはほとんどない。

4 生命保険
 日本は、一人当たりの年間生命保険支払額では、ダントツの世界第一位。
 一世帯当たりの年間生命保険料払い込み額は38.5万円(2015年度)。
 大手生保の場合、払い込まれる保険料のうち、将来の保険金支払いに充てる部分(純保険料)は35%だけ。
 (しかも、寿命が延びているので、純保険料からも余剰が出ているはず)
 残りの65%は、保険会社の利益や事務費となる。
 生命保険を販売するセールスマン(セールスレディ)、代理店、銀行などへ多額の手数料が支払われている。
 こうした販売手数料は、契約後2年間は保険料の40~50%、その後も10%程度支払われる。
 販売員は、販売手数料の多い商品を売ろうとする。
 保険会社は、たくさん売った販売員を海外旅行に招待したりする。

5 コンビニ
 フランチャイズのオーナーが、土地や建物を本部に借りてもらう場合、粗利益の50~79%は手数料として本部にとられる。
 しかも、商品廃棄コストは費用に含まれないため、粗利益が膨らみ、オーナーの手取りはますます少なくなる。
 オーナーが夫婦で年中無休で働いても、年収1千万円を大きく下回る。
 しかも、繁盛しているということになると、近くにほかのコンビニができる。

6 弁護士
 弁護士業界は、消費者金融に対する過払い利息の返還でバブル旋風が吹き荒れた。
 払い戻しとなった利息額の数十パーセントを弁護士手数料として徴収する。
 弁護士事務所は、テレビで大々的に宣伝して、顧客を集めている。

 弁護士の数は、法科大学院の開設もあって、年々増加している。
 開業しても仕事が少なく、年収数百万円という弁護士もいる。

 過払い利息返還訴訟のあとは、公正証書遺言ビジネスで儲けようとしている。
 ぼけ老人を抱える家族に「遺産の独り占め」を推奨する。
 弁護士は、公証人と結託し、いかがわしい公正証書を作成する。

7 歯科医
 多くの歯医者さんは、あまり儲かっていない。
 年収数千万円の歯医者さんよりは、年収数百万円の歯医者さんの方が多い。
 理由は・・
 ① 歯科医師数が相当、過剰になっている。
 ② 子供の虫歯が少なくなっている。

 多額の学資、多額の歯科医院開設費を費やして開業しても、患者さんが来ない。
 このため、何とか収入を増やそうとする。
 ① 「親知らず」はすぐ抜く。
 ② インプラントを勧める。
   (インプラントは、自費治療であり、1本で40~50万円儲けることができる。)


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「男性という孤独な存在」 [現代社会]

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  PHP新書、2018年1月刊。
  著者は、橘木俊詔さん。

1 社会の変容 
  明治、大正、昭和の時代は、ほとんどの人が結婚する、離婚しない、安定した家族といったことが特徴的な社会であった。
  しかし、平成に入ると、結婚しない人が増え、離婚は増加し、家族の安定は崩れ、性の自由化が進んで、単身者間の性交渉、既婚者の不倫などが増加するようになった。

2 結婚しない人が増えている
  理由は以下の通り。
 ① 性への関心と行動に関して二極化の傾向が強く、特に、最初から女性に近づかない男性が増加している。
  女性は、本能として出産の希望があるので、男性を待っているのであるが、なかなかうまく進まない。
 
 ② 日本が格差社会に入ったことにより、所得格差が拡大し、所得が低くて結婚できない人が増えている。
  特に日本では、男性に結婚・恋愛の経済負担がかかることが多いので、主に男性がこの問題で悩んでいる。

 ③ 家族を持たなくても人生を楽しむ手段が多く出現してきた。
  また、他人との付き合いが苦手という人が増えた。
  人間関係で気をつかうよりも、一人で楽しむとか、あるいは同性同士の気楽な付き合いを好む人が増加している。

 ④ 働く女性が増え、所得のある女性に結婚への希望度が低下した。
  また、経済力を得たことにより、女性の男性に対する要求が高くなった、

3 離婚が増えている
  離婚を言い出すのは圧倒的に女性が多い。
  これだけではないが、考えられる原因としては・・
 ① 夫の働きすぎ。
  残業が多く、しかも、飲み会などで、帰宅がさらに遅くなり、家事の手助けをする余裕もなく、妻の不満が溜まる。

 ② 働く妻が増え、一人で働いて生活はできるので、離婚に踏み切ることができるようになってきた。

4 家族から嫌われる
  夫、父親は、妻や娘から、以下の理由で嫌われる。
 ① たばこの煙、酒臭さ、男の放つ特有なにおいなどにより、生理的な嫌悪感を持つようになる。
  娘の場合、父親との対話がないことや、父母の仲がよくないのを日頃見ていることが、父への不潔感につながってしまう。

 ② 深夜までの飲み会や休日のだらだらとした生活ぶりを見て、妻は軽蔑の念を抱く。

 ③ 自分は何もしないのに、家事のやり方や子供の教育に関して口を挟む。

5 男が弱くなった
 なぜ、男が弱くなったか?
 ① 生理学的に、男性の精子が弱くなった。
 ② 家長としての父親・夫の役割が希薄になってきている。
 ③ 経済的に豊かになり、がむしゃらに働く気が弱くなり、何事にも消極的になった。
 ④ 男性が優柔不断になり、決断力が低下し、他の人の意見に従う傾向が強まった。
 ⑤ 自分の思い通りにならないと、他人のせいにして、泣き言を並べる男が増加した。

6 これからは婚外子(結婚していない男女の間に生まれた子供)が増える
  欧米では、婚外子が急増している。
  (2008年で、スウェーデン54.7%、フランス52.6%、イギリス43.7%、アメリカ40.6%)
  この比率は、多くの国でここ三十年ほどで急上昇している。

  それに対して、日本の婚外子の比率は2.1%と低い。
  その理由として考えられるのは・・
  ① 婚外子は冷たい目で見られることが確実な社会であったので、多くの人がそれを避けようとした。
  ② 妊娠中絶がかなり普及していたので、望まれない妊娠には中絶がなされた。
  ③ 母親一人で子育てするのが大変な時代が続いた。

  欧米諸国では、婚外子を積極的にサポートしている。
  フランスは、PACSという制度を設けた。
  これにより、異性ないし同性のカップルが税や社会保険に関して夫婦並みの権利を享受できるようになった。
  婚姻よりも規制が弱く、片方の申し出だけでカップル関係を解消できる。

  日本でも、従来の観念にとらわれない、新しい形態の男女の関係、家庭の形態が模索される必要がある。
  そうした中で、婚外子も次第に増加していくものと思われる。

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「『未解』のアフリカ」 [現代社会]

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 勁草書房、2018年1月刊。
 著者は、石川薫さんと小浜裕久さん。

1 ヨーロッパの侵略
 16世紀以降、アフリカは、鉄砲や爆薬を持っていなかったため、奴隷貿易という惨劇に会った。
 また、金や象牙など、豊かな資源に恵まれていたため、ならびに、ヨーロッパに比較的近かったため、ヨーロッパ各国に蹂躙され、その植民地となってしまった。
 
 ヨーロッパを中心に書かれた世界史では、アフリカ大陸は暗黒の大地だ。
 ヨーロッパ人は、アフリカ人を奴隷にしてもよいとする理由とするため、アフリカ人を未開の野蛮人であるとした。
 しかし、鉄砲や爆薬の力で、アフリカ、アメリカ新大陸、中近東、インド、そして東南アジアの人々を殺戮し、植民地化したヨーロッパ人の方が野蛮人だ。

2 アフリカの交易と王国
 アフリカ大陸には、かって他の大陸と同じように「普通の」国が栄えていた。
 交易も盛んであった。

 スマトラ(インドネシア)商人は、アフリカ南東部の人々がつくる鍛鉄を海岸線の通商都市から仕入れてインドに売るという三角貿易で栄えた。
 アフリカ人、インド人、アラブ人などの商人も、インド洋を行き来して、交易をおこなった。

 サハラ砂漠も、点在するオアシスを結んで、北側と南側をつなげる隊商のルートが何本も走っていた。
 サハラ砂漠の南側には、金や象牙があった。
 砂漠の北部には、生きるために不可欠な岩塩が掘り出されていた。
 また、地中海地方の象嵌細工、インドの繊維製品、中国の陶器なども持ち込まれていた。

 ナイル川上流にあったクシュ王国では、紀元前500年頃に製鉄が始まった。
 また、現在のナイジェリア、ガーナ、マリなどの地域でも製鉄が行われ、鉄器が使用されていた。
 鉄器の使用は、農業の生産力を高め、食料に余裕を与えていた。

 8世紀から13世紀にかけて栄えたガーナ王国は、サハラ南部の交易を抑え、通商及び関税がその財政基盤を支えていた。アフリカ西部には、そのほかマリ王国やソンガイ王国も栄えたが、次第にヨーロッパの侵略を受けるようになった。

 15世紀、スペインを支配していたイスラム系住民が戦いに敗れ、モロッコに逃げ延びた。
 彼らは、鉄砲を持ち、モロッコを支配し、さらには資源が豊富なマリ王国やソンガイ王国を侵略していった。

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3 奴隷貿易
 また、奴隷狩りと奴隷貿易が、アフリカの労働力を奪った。
 15世紀から19世紀にかけた400年間で、アメリカ新大陸に連れ去られたアフリカ人は少なく見積もって1000~1200万人と推計されている。

 故郷で拉致されてから積込港まで歩かされる途中で、また大西洋上の船の中で死亡したアフリカ人は、合わせて数百万人に上ったとみられる。
 新大陸に無事到着しても、過酷な労働により、多くの奴隷は若死にした。
 平均年齢は26歳であった。 
 このため、さらにアフリカから奴隷として人々が送られる必要があった。

 多くの若者を失ったアフリカは、経済活動が停滞した。
 イギリスは、イギリス、アフリカ、新大陸との間での三角貿易で、膨大な富を蓄積した。
 (イギリスからアフリカへ銃、火薬、繊維製品など、アフリカから新大陸へ奴隷、新大陸からイギリスへ砂糖、香料、たばこなど)
 アフリカで作られていた綿製品や鉄製品は、イギリスからの製品により駆逐されてしまった。

4 広大なアフリカ
 アフリカは広い。
 面積は3,037万平方キロメートルで、ロシアの1.7倍、アメリカや中国の3倍、EC(欧州連合)の7倍である(日本の80倍)。

 そこに暮らす人々も多様である。
 アフリカには約1,000の言語がある。
 アフリカには、日本のような単一言語の国はない。
 例えば、南アフリカ共和国には11の公用語がある。

5 アフリカの疲弊
 アフリカは15世紀以降、以下の要因で疲弊した。
 ① 奴隷狩りによる人的資源の簒奪
 ② 植民地時代の富の収奪
 ③ 列強による民族・部族を無視した領土の分割
 ④ 欧米大国の身代わり戦争
 ⑤ エイズ・結核・マラリアなどの蔓延

 いまだ、紛争が絶えず、また伝染病もなくならない。
 また、アフリカ諸国の所得水準はいまだ低く、経済成長率も3~4%の国が多く、高い経済成長を遂げているとは言えない。

 アフリカでは、天然資源に恵まれている国が少なくない。
 先進国からの経済援助も行われている。
 しかし、いつまでも石油や一次産品あるいは経済援助に依存し続けていては、持続的な経済発展は見込めない。

 天然資源に恵まれていることが、逆に、経済成長にとりマイナスになっていると言える。
 農業も含め自律的な産業を育てる経済援助が必要だ。


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「不当逮捕 築地警察交通取り締まりの罠」 [現代社会]

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  同時代社、2017年12月刊。
  著者は、ジャーナリストの林克明さん。

  東京新宿区で寿司店を営む夫婦が築地市場での仕入れを終えて帰ろうとしたところ、夫婦の乗用車の前に立っていた交通取り締まりの婦人警察官二人が、「ここは法定禁止エリアで、駐車違反だ」と告げた。
  朝8時頃であった。
  あたりの道は、仕入れのためにやってきた車がたくさん駐車していた。
  いつもの風景である。
  路上に放置駐車している車を取り締まっていたら仕入れ作業がはかどらないため、築地市場と築地署との間で、杓子定規な交通取り締まりはしないという協定があった。
  ただし、観光客の車は原則駐車禁止であった。

  婦人警官が駐車違反を告げたとき、運転手役の奥さんは運転席に座っていた。
  仕入れから戻ってきた男性(ご主人)は、婦人警察官に以下の内容のクレームをした。
  ① 仕入れの車がたくさん止まっているのに、なぜうちだけ?
  ② 運転手が座席にいる。
  ③ もう20年も、同じように駐車して、何も言われなかった。

  婦人警官(A)は、駐車禁止の道路標識にある「貨物の集配中の貨物車を除く」という表示を示して、「貨物車はいいけど、乗用車はだめ」と男性に告げた。

  男性は、「集配中」と「仕入中」とは意味が違う、などとクレームを続けたので、特に婦人警官(B)が怒りを爆発させ、尋常ではない興奮をするようになった。
  婦人警察官(B)は「暴行されている」と警察署に緊急通報した。
  けたたましいサイレンが鳴り、何台もの警察車両が現場に駆け付け、男性は後ろ手に手錠をかけられ逮捕された。

  逮捕容疑は公務執行妨害罪の現行犯であり、そのまま築地警察署に連行されて、警察官に暴行をふるったという虚偽の自白を強要され、否認すると19日間、拘留された。
  築地署で対応したのは、主に暴力団員などを取り締まる組織犯罪対策課であった。
  尋問した警察官は、「正直に自白しないなら、ずっとここにいてもらう。店がつぶれたって知らないよ」と言ったり、「明日の新聞は、寿司名店の主人が婦人警官に暴行、となるよ」などと言って脅した。
  
  奥さんも朝9時ごろから築地署で取り調べを受け、「主人が婦人警官に暴行した」という内容を含む調書にサインするよう強要されたが、奥さんはサインを拒否し、午後4時40分になってようやく解放された。

  逮捕の翌日、男性の奥さんは、紙を持って目撃者を探した。
 「暴行なんてなかったよ。いきなり逮捕はひどいね」という証人が三人見つかった。

  逮捕された男性は、翌日、夕方まで東京地方検察庁の女性検察官の取り調べを受けた。
  その後は1時間ぐらいの取り調べが2~3回あっただけ。
  警察官の逮捕を正当化するような自白調書を書かない限り釈放はできないというスタンスであった。

  逮捕から16日目に、警察官から検事の提案として、『「障害」を「暴行(防衛)」に変え、相手に障害を負わせなかったということにするからサインして』という話があったが、男性は拒否した。

  男性は19日間の拘留ののち、釈放された。

  夫婦は、東京都(警視庁)、国(検察庁、裁判所)を相手取って、国家賠償請求の裁判を起こすことにした。 
  裁判は、決着がつくまで9年1か月を要した。

  裁判では、夫婦ならびに婦人警官2名の、合計4名の証人尋問が行われた。
  暴行を受けたと主張した婦人警官(B)の証言は矛盾に満ちたものであった。
  裁判所はその後、裁判官を異動で交代させた。
  新しく担当となった裁判官は、「暴行はなかった」と話していた目撃者4名を証人尋問することを認めなかった。
  さらには、警察や検察が保有している証拠書類の提出命令を却下した。
  新しい裁判官は、判断に必要な情報を得ようともせずに、裁判を結審させようとしているかのようであった。

  夫婦は、婦人警察官二人を含む築地署の関係者6名を、虚偽告訴罪で東京地検に告訴した。
  しかし、東京地検は一切の捜査を行うことなく、不起訴の判断を下した。

  夫婦は、裁判官が変わったので、婦人警察官二人の再尋問を申請したが認められず、夫婦の再尋問だけが行われた。

  2016年3月、被告東京都に240万円の支払いを命ずる判決が出された。
  夫婦の勝利であった。
  判決は、二人の婦人警察官の証言が虚偽であることを認めた。
  しかし、築地署の取調官や検事の責任は一切認めていなかった。
  原告側、被告側ともに控訴したが、東京高裁は2016年11月、控訴を棄却し、一審判決が維持された。

  東京都や国を相手として勝訴判決を勝ち取ることができた要因は・・
 ① 調書の精査と尋問で、警察側の矛盾を暴露した。
 ② 目撃者4人を確保し、協力を得ることができた。
 ③ 裁判官忌避という強い態度に出たことにより、裁判の雰囲気が変わった。
 ④ 支援者らが傍聴支援してくれた。
 ⑤ 原告の夫婦二人の強い意志があり、被害者として考えられる法的手段を次々に行使した。
  
  
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岩波書店と中国 [現代社会]

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 本年1月から販売されている、岩波書店の「広辞苑」での中国と台湾の関係に関する記載に批判が出ている。

 問題となっているのは以下の点。
 ①「日中共同声明」の説明で、「戦争状態終結と日中の国交回復を表明したほか、日本は中華人民共和国を唯一の正統政府と承認し、台湾がこれに帰属することを実質的に認め、中国は賠償請求を放棄した」と、台湾が中国に帰属するとの立場をとった。

 (ただし、「台湾」の説明では、「49年国民党政権がここに移った。60年代以降、経済発展が著しい」ということで、特に台湾が中国の一部であるとの説明はない。)

 ②「中華人民共和国」のところで、同国の地図を掲載しているが、台湾を「台湾省」と表示し、同国の一部としている。
 
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 ちなみに我が国の外務省のインターネットサイトに掲載している中国の地図では、台湾を中国の一部であるかのような表示はしていない。

 台湾政府は、広辞苑のこうした記述に猛反発している。
 一方、中国は岩波書店の対応を歓迎、称賛している。

 岩波書店は、伝統ある出版社で、これまで批判精神を堅持していたはず。
 それがなぜ、人権無視で、言論の自由を欠いた中国に肩入れすることになったのだろうか。
 親日の台湾を見捨てるのはなぜだろうか。

 雑誌「選択」の最新号に掲載されている『中国に傾倒する「岩波書店」』という記事によると、以下の事情があるという。

 理由は、同社の業績不振。
 2000年度に250億円あった売上は、2016年度には150億円にまで減少している。
 2012年度には赤字に転落し、給与カットとリストラが行われた。

 こうしたなか、同社は中国市場で活路を開こうとしている。
 日本語教育書籍や電子書籍の販売を始めており、北京第二外国語学院大学の院長が、同社の歴史認識を絶賛し、同社の書籍や電子版の学術データの活用を表明しているとのことである。

 また、同社は、中国共産党中央宣伝部が実施する「中国を認識する」という宣伝プロジェクトの日本側パートナーに選ばれている。
 なお、同社の現在の編集局部長は、かって東方書店という中国寄りの出版社に勤めていたということである。

 以上が、「選択」の記事の内容であるが、これからは岩波書店だけではなく、他の出版社あるいは新聞社やテレビ局でも、お金の力により、中国の影響力が強まるということが考えられるのだろうか。


 *広辞苑に掲載されているロシア連邦の地図も不可解。
  全くの独立国である、ベラルーシ、ウクライナ、モルドヴァの3か国をロシア連邦の地図に記載している。
  何らかの意図があるのだろうか?

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「主権なき平和国家」 [現代社会]

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  集英社、2017年10月刊。
  著者は、伊勢﨑賢治さんと布施祐仁さん。

  地位協定の国際比較から日本の状況を分析している。
  
  現在、日本には78の米軍施設があり、面積では264.4平方キロメートルを占めている。
  日本の国土全体に占める割合は0.07%に過ぎないが、沖縄本島だけでみると14.6%の面積を米軍施設が占めている。

  米軍が日本において活動するについて、日米間で「地位協定」を結んでいる。
  アメリカは、世界の多くの国と地位協定を締結し、軍隊を駐在させているが、日米間の地位協定ほど、アメリカに都合の良い地位協定はほかにない。
  ドイツ、イタリア、韓国、フィリピン、アフガニスタン、イラクなど各国は、アメリカと粘り強く交渉し、譲歩を引き出してきた。
  しかし、日本はそのような交渉をしようとしない。
  この結果、日本は様々な不利益を被っている。
  日米間の地位協定の問題点は以下の通り。

1 刑事裁判権
  沖縄での米軍関係者による殺人、強盗、強姦などの凶悪犯罪が毎月1件以上のペースで発生している。
  しかも、こうした犯罪者の多くが地位協定により保護されており、日本の法律で裁くことができない。
  これは、保護対象者が、米軍に雇用されている兵隊だけではなく、米軍専用のサービス提供者にまで及んでいることも一因である。
  また、基地外で犯罪を犯した人間が基地内に逃げ帰ってしまった場合、日本の警察は取り調べもできない。
  1996年から2011年の間に強姦容疑で摘発された米兵35人中、8割強にあたる30人が逮捕されず、不拘束で事件処理されていた。
  日本政府は、主権を主張するよりは、米側との対立をなるべく避けようとしているように見える。
  こうしたことから、沖縄における米兵による凶悪犯罪はいつまでも続いている。

2 警察権
  基地の中では米軍が警察権を行使できるが、基地の外では日本側が警察権を行使する。
  ただし、基地の外でも例外的に米軍の警察権の行使を認めている。
  また、米軍の財産に関して捜索、差し押さえ、検証を行う権利を日本側は基地の外でも放棄することを認めている。
  例えば、オスプレイが基地の外で墜落した場合、日本の警察は事故機を捜査することができず、アメリカ側が勝手に現場周辺に規制線を張り、日本の警察さえも立ち入り禁止として、事故機を撤去してしまう。

3 在日米軍の基地外での飛行訓練
  在日米軍は以下のようなルートを勝手に設定し、低空飛行訓練を行っている。
  この訓練により騒音問題や事故を引き起こしている。
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  また、オスプレイの飛行訓練についても、人口密集地の上空を飛ぶという危険な行為を行っても、日本側はそれを止めさせる権限を持っていない。

4 環境汚染
  基地内から周辺の川に有害物質が流れ出すことがある。
  また、基地内の焼却炉の煙から、基準を大きく上回るダイオキシンが検出されたこともある。
  しかし、米軍の同意がない限り、日本の当局が勝手に基地内に立ち入って調査することはできない。
  
5 国外の軍事作戦への駐留米軍基地の使用
  例えば、朝鮮有事の際に駐留米軍の戦闘機や艦船が日本の基地から発進することになった場合、日本の米軍基地が攻撃を受ける可能性がある。
  こうしたことから、大半の国でこうした基地の使用を禁止するか、あるいは事前協議制にしている。
  しかし、日本政府は「密約」で、朝鮮有事の際、協議なしに軍事作戦への駐留米軍基地の使用を認めている。

6 全土基地方式
  地位協定により、アメリカは日本のどこにでも基地の提供を求める権利がある。
  もちろん、日本側は拒否することはできるが、新たな基地の設置が戦略上、極めて重要ということになると断ることは容易ではない。
  例えば、ロシアとの北方領土交渉で、ロシア側からの「返還後に、そこに米軍基地ができる可能性はあるか」との問いに対し、日本側は「可能性はある」と答え、交渉はそこで頓挫せざるを得なかった。
  日本が「返還された北方領土に米軍基地は作らせない」とロシア側に回答することは、アメリカとの安保条約並びに地位協定の上から問題があるということである。

7 米軍駐留経費負担
  日本が負担する在日米軍関係経費は、2016年度で7,642億円。
  米軍の総経費の約6割を日本側が負担している。
  2004年の数字であるが、日本は、米軍が駐留する他の国のすべてを合計した負担額を上回る金額を負担している。

8 横田ラプコン
  米軍は、関東・信越の上空に以下のような巨大な専用空域を保持している。
  日本の航空機はこの空域を避けて通らなければならない。
  これについて日本政府はアメリカ政府に対して再三、返還を要請しているが、返還は実現していない。
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 *このように、日本はアメリカのいいなりの「従属国家」になっている。
  なぜ、改善しないのだろうか。
  ① 日本の平和が、駐留米軍の存在により保たれているという誤解。
    有事の際に、駐留米軍が日本を守ってくれるかどうかは分からない。
    駐留米軍の存在がかえって、日本の平和にとりマイナスになるということもある。

  ② 地位協定の問題を沖縄だけの問題ととらえ、大半の国民は関心を持たない。

  ③ 戦争直後から続く、アメリカに対する変な依存心と友好ムード。
    しかし、アメリカは自国にとり有益であると判断しない限り、戦争には加わらない。
    経済的にも、あくまでも自国の利益を追求する国である。
    


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「丸腰国家 軍隊を放棄したコスタリカ」 [現代社会]

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  扶桑社新書の一冊、2009年刊。
  著者は、コスタリカ研究家の足立力也さん。

  コスタリカは、中央アメリカ南部にあり、北はニカラグア、南はパナマと国境を接してる。
  人口は489万人で、日本の26分の1。 面性は51,100平方キロメートルで日本の7分の1。
  豊かな自然に恵まれ、環境保護を重視している。
  電力の98%は再生可能資源から得ている。
  1949年に常備軍を廃止する憲法を成立させ、軍隊を持たない国となった。

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1 紛争の絶えない中央アメリカ
  アメリカにとって中央アメリカは以下の理由から、重要な意味を有していた。
  ① 大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河のほか、コスタリカとニカラグアの国境地域も運河建設に適しており、勢力下にしておきたい地域であった。
  ② アメリカから比較的近く、共産化を防ぐ必要があった。

  しかし、中央アメリカ諸国では、アメリカの支援を受けた勢力と、ロシアの支援を受けた勢力が敵対し、紛争になることが多かった。

2 軍隊の廃止
  こうした状況にあって、あえて軍備の廃止に踏み切った。
  理由は・・
  ① 19世紀のころから、「軍隊は悪だ」という考え方が出ていた。
  ② 軍隊に配分する財政の余裕がなかった。
  ③ 政権基盤を強化するため、反対勢力の軍隊から武器を取り上げ、組織をつぶす必要があった。
  ④ 政権側の軍隊についても、常にクーデターを起こす可能性があったので、その力を削ぐ方が政権の安定化につながった。

3 軍隊がなくても大丈夫か?
  中央アメリカは、紛争が起きやすい地域であり、軍隊を廃止した後もコスタリカは何度か軍事的な危機にさらされた。
  しかし、様々な国際的圧力の中で小国が生き延びるためには、軍事力にできるだけ頼らない方がむしろ現実的だった。
  軍事的危機が起きるたびに、軍事力以外の方法を模索し実行した。
  軍事力を使わない方向で対処した方が良い結果を得ることができ、「軍隊がないことが最大の防衛力だ」と言えるまでになっている。

4 軍事力以外の方策とは?
  政権の反対勢力が、隣国ニカラグアの支援を得て侵攻してきたときには、米州機構に訴え、その圧力でニカラグアが支援するのを止めさせることができた。
  反対派の軍事的侵略については国内問題として処理するのではなく、より大きな国際的枠組みの中で捉え、多国間外交の場に持ち込んで非軍事的解決を目指すのが効率的であった。

  ニカラグアの内戦の際には、ニカラグアの反政府勢力をアメリカのCIAが支援し、コスタリカの領土内に反政府勢力の秘密基地を作った。
  ニカラグアの内戦が、コスタリカ領土内にまで拡大して、コスタリカの人々にも被害が及ぶ心配があった。
  このため、コスタリカは「積極的永世非武装中立宣言」を発表し、どちらにも見方をしないが、仲介者としては積極的に介入することとした。
  実際に、コスタリカの仲介により、和平協定が締結された。
  コスタリカが武力を持たなかったからこそ、仲介者として関係国の信頼を得ることができた。

5 充実した福祉政策
  コスタリカは、軍事費が不要な分、福祉を充実させることができた。
  例えば・・
  ① 小中学校の教育費はすべて無料。
  ② 健康保険が整備され、自己負担なしで医療サービスが受けられる。
    健康保険の保険料が払えない人たちも、無償で医療を受けられる。

  コスタリカの所得水準は「発展途上国」並みであるが、就学率、医療費負担、平均余命など社会指標はどれをとっても「先進国」並みである。
  軍事費がないことで、教育や医療、福祉により多くのお金を回せるようになったことは、まぎれもない事実だ。

6 コスタリカの負の側面
  コスタリカは理想の国ではない。
  例えば・・
  ① 麻薬の蔓延が社会問題となっている。
  ② 治安が急速に悪化している。
  ③ 政治腐敗と政治不信が深刻である。
  ④ 女性の人権が十分に守られていない。
  ⑤ 貧困が蔓延し、格差が拡大している。
  ⑥ わいろが横行している。

  この国にはいいいところもあれば、悪いところもある。


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「食肉の帝王」 [現代社会]

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  講談社+α文庫の一冊。2004年刊。
  著者は、ノンフィクションライターの溝口敦さん。

  食肉卸売業のハンナンの元会長で、食肉業界のドンとよばれた浅田満の実態を解明している。
  ハンナングループは、大阪市中央区に本社があり、現在、国内24社、海外5社を展開する食肉総合企業となっており、社長は浅田満の甥の浅田勘太郎が就任している。

1 牛肉偽装事件
  浅田満は2004年に、BSE(牛海綿状脳症)に関する国の補助制度を利用し不正を行ったとして、詐欺罪など複数の容疑で逮捕された。
  買い取り対象は国産牛肉に限られていたが、浅田満は、加工肉、内臓肉、輸入肉など買い取り対象外の肉を混入させ、国産牛肉と偽って買い取り申請をしていた。
  これにより浅田満は、計約50億3000万円の詐欺や補助金適正化法違反(不正受給)などの罪に問われた。

  2015年4月に、懲役6年8月の実刑判決が確定し、2016年11月に収監され、現在服役中である。
  浅田満は1938年の生まれで、現在79歳。
  
2 政界とのつながり
  浅田満は元衆議院議員の鈴木宗男に多額の資金を提供していた。
  鈴木宗男は北海道の選挙区からの選出であるにもかかわらず、「大阪食品流通研究会」という政治団体を持ち、ここに浅田満からのお金が流れていた。
  鈴木宗男本人やその私設秘書が、ハンナングループの会社の名目的な社員となり、給与を受け取っていたこともある。
  また、顧問報酬を受け取っていた。

  鈴木宗男はこうした支援の見返りとして、浅田満のために以下のような動きをした。
  ① 日本でもBSEが問題になった際に、国による在庫牛肉の買取を農水省の幹部に強く迫り、実現させた。
  ② 国での買取が決まると、その情報をいち早く浅田満に伝えた。
   (浅田満は、その情報をもとに、傘下の食肉会社に、輸入肉を国産牛表示の段ボール箱に詰め替えさせた。)

3 相撲界とのつながり
  1984年、浅田満の長女が九重部屋の元力士、君の富士と結婚した。
  この時、鈴木宗男夫妻が仲人を務めた。

  また、元横綱で現在の相撲協会理事長の八角親方(北勝海)の結婚式では、浅田満が仲人を務めた。
  浅田は八角部屋のために、大阪のけいこ場を藤井寺に立ててやったこともある。

4 暴力団とのつながり
  浅田は、山口組組長の渡辺芳則と親しかった。
  浅田は、このつながりを利用して、グループ会社の昭栄興業に工事を受注させた。
  同社は、これといった重機や技術を持っていなかったが、ゼネコン以上に工事を受注し、下請け的存在でありながら、逆にゼネコンに工事を「上投げ」していた。
  昭栄興業は大阪ばかりでなく全国に展開し、中部国際空港の土木工事まで受注した。




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ベネズエラの経済破綻 [現代社会]

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ベネズエラ 地図.png

* CNN電子版による。

  ベネズエラ経済は極度の混乱に陥っている。  
  
1 原油生産の減少
  ベネズエラは原油の埋蔵量が世界で最も多い国である。
  しかし、政府の失政と腐敗のため、原油生産量が減少してきている。
  昨年の3月までは、1日当たり220万バレルを維持していたが、12月には170万バレルにまで減ってきた。
  これは2002年以来の低水準で、石油価格の低迷と合わせて、経済に深刻な影響を与えている。

2 公的債務の支払い遅延
  政府と国営石油公社の債務支払いが遅延するようになってきた。
  いつまでも返済ができないと、期限の利益を喪失し、600億ドル(6兆6千億円)とみられる公的債務全体の期限が到来することになり、海外の債権者により石油資源の差し押さえなどという事態を招くことになる。

  ベネズエラ政府が発行する債券の金利は12.75%と高い。
  しかし、それでも人気はなく、現在、4年物の債券は流通市場で額面の4分の1の値段で取引されている。

3 通貨価値の下落
  ベネズエラの通貨であるボリバーの価値が以下のように極端に下落している。
    1年前   1米ドル =  3,100ボリバー
    現在   1米ドル = 191,000ボリバー
  すなわち、ボリバーの価値は1年前の61分の1になっている。

4 食料等の不足
  資金不足から、食料や医薬品、その他生活必需品の輸入が難しくなってきている。
  このため、スーパーマーケットから物がなくなり、また、医薬品の不足からマラリヤの蔓延や乳幼児や妊産婦の死亡率が急上昇している。

5 著しい物価騰貴
  昨年1年間の物価上昇率は4,000%を超えた(400倍)。
  毎月、物価が平均して2倍になるということである。
  お金を現金で持っていると、1か月で価値が半分になるということなので、現金はとにかくなんでもいいから物に変えた方がよいということになる。

  ベネズエラの通貨ボリバーは、価値尺度、流通手段、価値貯蔵といった通貨としての基本的機能をほぼ完全に失いつつある。

6 政府の対応
  政府は最低賃金の額を40%引き上げるなどの対応をとっているが、インフレにとても追いつかない。
  また、一方では、インフレを抑えるため、預金の引き出しを制限している。
  現在も1日当たり1万ボリバー(日本円で6円程度)が引き出しの上限となっている。
  しかも、銀行には長蛇の列で、引き出すのに数時間を要するという状況である。

  食料や必需品については、政府から直接の配給が行われているが、この配給制度は近い将来に途絶えるのではと多くの人が懸念している。



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